FEATURED | Talk About Ball#2 キング・ハンドルズ

Talk About Ball#2 キング・ハンドルズ
 DATE : March 15, 2009

この文章は2005年10月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.2」に掲載されたものに加筆した文章です。

KING_HANDLES


バンクーバー出身のKING HANDLESは、現在世界中のストリートボール・シーンで最も注目を集めているストリートボーラーの一人である。特出しているのは、その凄まじいまでに卓越したハンドリング能力。その力強く速いドリブルは目で追えないほどのスピードにまで昇華しているという。今、世界でもっともドリブルスピードの速いボーラーとしての呼び声も高い。カナダはバンクーバーで有名なストリートボール・クルー“NOTIC”の一員であり、また2004年より今全米で注目の的にある新しいタイプのストリートボール・クルー“YPA(YOUNG PLAYERS ASSOCIATION)”のエースとしても活躍している。そんなKING HANDLESへストリートボールシーンについて話を聞いてみた。


−今回が初来日ということだけど、実際に来日してみてその感想は?

KH:日本は最高だよ!! 日本はとてもボクに合っている国だと思う。それに、日本のみんなはボクにすごく良くしてくれるしね。あと、テクノロジーがカナダに比べてすごく発達しているね。まるで未来にいるみたいだよ!!

−自分のプレイスタイルを言葉で表現すると、どういったものになる?

KH:クイック!! スピード!! ボクのスタイルは“クイックアンドスピードハンドル”さ。

−10月2日の日曜日に行われたALLDAY10.2に“BOUNCE”のメンバーとして参加したけど、ALLDAYというトーナメントはどうだった?

KH:とても楽しめたよ!! お客さんのリアクションもすごく良くて興奮した。いい経験が出来たよ。次、来日する機会があったら是非“EXILE”を一緒に連れて来たいね。ボクと二人でトーナメントに出て、盛り上げたいよ!!

−ALLDAYトーナメント1回戦で、全大会の覇者でもある“SUNDAY CREW”との対戦はどうだった?

KH:うん、良いチームだとは思うよ。でも、そんなに飛び抜けた存在だとは思わなかったかな。日本のボーラーにとっても手の届かないチームでは決してないよ。確かに彼らの中には上手いボーラーもいたけど、チームとしてはまだまだかな。とにかく決して勝てない相手なんかじゃないし、きっとあの時も勝てることは出来たと思う。実際に前半はボクらは勝ってたんだ。でも、何で負けたかって、後半ボクがミスをし過ぎたし上に、他のメンバーも得点出来ていなかったからね。もし後半にシュートがもっと入っていたら、きっと違う結果になったよ。SUNDAY CREWは確かにGOODチームだけど、もしEXILEみたいな上手いボーラーがチームにもう一人でもいれば勝ってたかもしれないよ。まぁ、ボクも後半でシュートをミスってしまったけど、ボクも完璧な人間じゃないからね。でも、次対戦する機会があったら絶対に勝ってみせる!! どんなに強いチームだって必ず負ける瞬間が来る。ジョーダンやピペンがいたシカゴだって負けることがあるんだ。SUNDAY CREWをリスペクトしているよ。まぁ、良い人達だったし、良いチームだった。でも、いつまでもキングではいられないものなんだ。誰かが倒すときが必ず来る。ボクもずっと“キング”ハンドルではいられない。それが人生さ。たまにはステップダウンしなくてはならない。とにかくまた来年、ALLDAYに戻って来るよ!!

−ALLDAY10.2にも参加していた“FAR EAST BALLERS”や“Team-S”の練習に参加したと聞いたけど?

KH:Team-Sはすごい愛してるよ!! FAR EAST BALLERSとは全く違うチームだね。RFAR EAST BALLERSはより競争的なチームだね。彼らはとてもクールだよ。一方でTeam-Sは競争も当然しているけど、同時にバスケットボールも楽しんでもいるんだよ。 両チーム共ボクは好きだけど、Team-Sのほうがボクの考えに合っている環境かな。FAR EAST BALLERSはとても競争心があって、それはすごく良い事だと思うけどね。FAR EAST BALLERSのやっていることはすごくクールだよ。Team-Sはファミリーみたいな感じで、練習が終わった後もみんなで食事をしたりして楽しかったよ。Team-Sはボクをゲストとしてじゃなくて家族の一員として扱ってくれたんだ。

KING_HANDLES


−アメリカのストリートと日本のストリートの違いは何?

KH:んー、違いね……。そうだなぁ、アメリカのストリートっていうのはそんなに競技的ではないんだ。日本人のプレイはとても速い!! 日本のボーラーは何をやるにも速い。それはインドアでもアウトドアでも。とにかくアジア人のプレイは速い。こんなに早いボーラーたちを見たことが無いよ。でも、今の日本に何が必要かというと、良い指導者が必要かな。日本人はとにかく速いけど、その速さを有効に使えていない印象がある。良い指導者がそのスピードの使い方を教えてあげれば、それで言うこと無しさ!! それが出来れば、世界でも有数のボーラーになれる。あのクイックネスはボクにも出来ないよ。日本人はとてもポテンシャルが高い、ポテンシャルで言えば日本とアメリカには何ら変わり無いよ。バスケットボールのメッカは確かにNYであるし、レジェンドは実際にNYに多く居るからあの街はベストだと思われている。でも、実際はそうじゃないんだ。アメリカ人が自分達こそがベストだと思っているだけで、他の国と大差はないんだ。確かに、イーストコーストからレジェンドが大勢出ているからそう思われがちだけど、今のバスケットボールはもっとグローバルなものなんだ。アメリカも今の時代オリンピックで負けているし、アメリカが絶対の時代はもう終わった。アメリカに勝つチームも今はたくさんあるしね。次の時代は君たち日本人かもしれない。今こそ世界で「自分たちもバスケットボールが出来るんだ!!」ということをアピール出来るチャンスだよ。NBAとかもすごくグローバルになったことで門は開かれているし、スカウトもアメリカ以外の海外に目を向け始めている。日本人はポテンシャルもとても高いし、海外にもタレントがいるからスカウトも見ているし。ただ、日本の問題は良い指導者がいるのかどうか、それがすごくもったいない。本当に良い指導者がいれば、アメリカでも通用するボーラーが沢山出てくるはずだよ。決して諦めないこと。アメリカでのストリートはもっとみんながフィットネス感覚でバスケットボールを楽しんでやっているんだ。日本のストリートはガチンコだね。日本のボーラーの方がアメリカのボーラーよりスキルが高いかもしれないね、シュートとかも正確だし。だからかな、日本のボーラーにはシステマティックないわゆる競技バスケットボールの方が向いているのかもしれない。海外のスカウトもその点を注目しているのかもね。

−日本のストリートボーラーに何かアドバイスを。

KH:ストリートに居ない人達、つまりあまり事情を知らない人はストリートのことをバッドだと思っているけど、実際はそんなことないんだ。ストリートは今すごく変わってきていて、アメリカでも今やNBAを見る人よりストリートを見る人の方が多いかもしれないところにまできている。以前はストリートを批判する人もいたけど、今は変わりつつある。だから、どんなに批判されてもプレイすることを辞めてはいけない。ストリートボールはバスケットボールを変えてしまった。どんなに批判されても自分がやりたいスタイルでやることが大事だよ。ストリートがやりたいのならそれをやればいいし、競技バスケットボールをやりたいのならそれをやった方がいい。とにかく自分が好きな方をやり通すこと。「アイツは何も出来ない」なんて他人に絶対言わせてはいけない。とにかく自分を見失わないことが一番大事だよ。今世界で注目されているストリートボーラー達だって、今の地位にたどり着くまで沢山練習したに違いない。彼らはスーパースターだから、今の君より上手いかもしれないけど、もしそうなのだとしたら彼と同じくらい練習しなくてはならない。練習すればスターになれる、そこにアメリカも日本も違いはないよ。人々は彼らの多くがが黒人だからというけどそれは違う。彼らはハードに練習したんだ。今、おそらく1万人、いやもっと多くの人が彼ら有名ストリートボーラーがやっていることと同じことをやろうとしている。だけど、きっとそれほど練習してないだろうね。自分がやりたいことにはもっと全力でやらなきゃ、それは日本人であろうとそうでなかろうと。SAMURAI(森下雄一郎)だってアジア人で頑張っているストリートボーラーの1人。彼の存在は、日本人にとって大きく門は開かれたことになるんだ。YUTA(田臥勇太)だってNBAで頑張っているし。インドア、アウトドアの両方で門が開かれている時代さ。だからこそ、自分の好きな方をやらなきゃ。誰に何を言われても。次、日本から生まれるストリートボーラーは、SAMURAIより上手いかもしれない。SAMURAIやYUTAのいような開拓者がいるからこそ、その次の世代はもっと上手くなるんだよ。

−KING HANDLESにとって、STREETBALLとは何?

KH:……、LIFE!! 生き方さ。ボクはボールを持てば何でも出来るんだ。それはマトリックスみたいに自分の世界では何でも出来る。その空間には自分とボールとしかいない。ネオになれば何でも出来る。ボクはネオだ。ボクはどんな相手にでもどんなことも出来る。仮に失敗したとしても、さらにうまくなって帰って来る。ボクは何をやってもいい。DFを滑らせたり転ばせたり。何をやってもいい。それがボクにとってのストリートボールさ。正義が敗北を支配している。誰でも敗北を味わうんだだから10倍練習して戻って来るんだ。ボクはコートでは選ばれし者。テープを一時停止して自分のロゴを作ろうとしたんだけど、速過ぎてぼけてしまうんだよ。それはボクがカメラの技術では追いつけない速さを持っていることの何よりの証拠さ。リアルにボクはネオなんだ。コートの外ではそんなこと全然思ったことないけど、コートの中ではボクはネオ。その自信がある。

本名:Joel Haywood A.K.A:KING HANDLES 身長:188cm 体重:75kg 年齢:21歳


text/MC MAMUSHI
Interveiwer/Katoyo & MC MAMUSH
Translater/Shimada


この文章は2005年10月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.2」に掲載されたものに加筆した文章です。

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