この文章は2005年11月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.3」に掲載されたものに加筆した文章です。

前回に引き続き、今回も1990年代“ストバスブーム”の思い出話を夜な夜なファミレスで語る4人のストリート・レジェンドたち。後半の回想のテーマは、当時のシーンを彩った様々なキャラクターたち。10年の時を経て、当時のシーンと今のシーンの比較もまたおもしろい。「ALT.H.（Alternate History）」の完結編第2弾。

A：あの当時、オレは“BAD BOY ってチームでやってた。

E：オレはK..J.7 。

A：おっさんもでしょ?

G：あぁ、オレもK..J.7。

A：あとゴリラさんチーム（!?）もやってたよね、おっさん。

G：やってないよ、そんなの!!（笑）

A：で、KAI（現在Team-S）がROCKERSだろ。シンジもROCKERS。あと、ROCKERSファームっていうのがあってな。ROCKERSの下の奴らがそこに集まってるんだよ。

G：あったね、昔。若手たちがな。ヒノタマボーイとか。コロコロとか。あいつら、ファームで出て、そのあとチェリーボーイになったんだよな、名前がね。

A：うわー、なつかしいね。あと、モリベエ。クール宅急便もROCKERSの流れかな。駒沢のROCKERS軍団だけで4チームか5チームぐらいいたよね。

E：あと、T もROCKERSだった。フィジカルなストバスに、レッグスルーで革命を起こしたT。一番最初はまだ居なかったんだよな、確か。途中から見るようになったもん。

A：Tを見たときは衝撃的だったね。なんだこいつって。あの時のROCKERSはホント雲の上の存在だったよなぁ。ファンだったしね、オレら。

E：黒人ばっかばか倒すんだ、奴ら!! かっこよかったよ。オレら試合負けてもROCKERSの試合だけは見てたもんね。

G：MX CUPのチャンピオンシップが12月とかにあったんだけど、それとかにツカちゃんとかも出てたよね。

E：ミナミヤマとか下村さん（元日本代表）とか、あとジャンボと“JOKER ”で出てたんだ、最初は。

G：モーガンさんが“ABOVE THE RIM”。

E：ドゥエインと一緒にな。この人たちが今で言うSUNDAY CREWみたいな存在だね。当時からすでにレジェンド扱いされてたし。

G：BTアイスマンズとかも名前変えて出てたよ。アミーゴブラザーズだかサボテンブラザーズだか何とか。あとアイスマンズ主催の大会をクラブチッタとかでもやってたね。

E：アイスマンズは今でいうFEBみたいなもんでさ、プロだって謳ってたし。

A：今でいうS、勉族、FEBみたいなチームがあの頃は15チームぐらいいてひしめき合ってた。“レンジDE珍”とか。ふざけた名前だけど超強いとか。ユニフォームの背中に珍って入っててさ。

E：あの頃のキャラってホントに濃いよ! 今なんて全然薄い!!

A：薄い薄い。

G：面白かったよなぁ。ネズミとかいう奴なんて、いつも歌いながらバスケしてたしな。

A：マチュもデカかったよね、“いただきマチュ”。強いチームがふざけた名前つけるんだ。狂ってるよ。

G：あとキタロウ親衛隊ね（笑）。まぁ、一応入れとこうか。

K：KAIさんがROCKERSで最後に試合出たのってB-BOY PARKであった3ON3でしたっけ？

A：そうだねー、一番最初のB-BOY PARKじゃない。あの後も出てたかな？ 翌年かなんか、5ON5で乱闘してたのは思えてるんだけど……。

K：あったあった。今、アレグリアやってる場所が当時は何にもなかったんですよね。

E：もう、ストリートに出てくる悪そうな奴らはみんなロン毛だった。

A：オレもロン毛だった。

E：オレも。

G：…、オレも?

A：いや、おっさん違うでしょ。

*13：BAD BOYのアンちゃんとK.J.7の栄ちゃんが1995年に運命的な出会いを果たし、その後二人からTeam-Sが誕生した。
*14：T（岡田卓也）。当時、日体大のバスケットボール部員であったTは、駒沢のコートでもストリートバスケットボールをプレイしていた。ROCKERSの主要メンバーとして一時代を築くこととなった。アメリカでの修行やJBLでのプレイを経て、現在ABAのイングルウッド・コブラーズでのプレイが決まり再渡米。GYMRATSとして精力的に活動する一方で、FAR EAST BALLERSのヘッドコーチも務めていた。
*15： “ツカちゃん”こと塚本清彦氏は、元NKKバスケットボール部のポイントガードとして活躍。その後、第29回日本リーグを最後に現役引退。現在はNBA、NCAA、JBLのテレビ解説や、全国の競技者を対象にしたバスケットボールクリニック活動などでバスケットボール界に尽力中。
*16：3年前ぐらいに横浜赤レンガ倉庫前であった3ON3大会で見かけたことがあります。2ｍを越える体躯を持つ大きな大きな髭のおじさんでした（MUMSISTA談）。
*17：14～15年ほど前から存在するストリートチーム。チームの立ち上げ当時から元GIGA CAT'Sの南山選手が在籍していた。
*18：スティーブ・モーガン。当時のシーンの最強のボーラーとしてレジェンドとして扱われていた黒人ボーラー。ALLDAY10.30を観戦していたとの目撃情報もあり。次回以降、SUNDAY CREWに加入するという噂すらある。
*19：オーストラリアのプロや日本実業団でのプレイ経験を持ち、前出のスティーブ・モーガンらと一緒にストリートでプレイ。そして05年、SUNDAY CREWが初めてFEBと非公開でゲームをした際にそのメンバーとしてプレイしていたという。
*20：“天才・たけしの元気が出るテレビ!!”から生まれたプロ・ストバスチーム。実力とともに、その明るいキャラクターやファッション、 ルックスが受け、一躍人気者に。 バスケットボール雑誌や、各種メディアを通じて、「明るく楽しいバスケットボール」をアピールしていた。
*21：言わずと知れたプロ・ストリートボールクルー“FAR EAST BALLERS”。

この文章は2005年10月に発行されたフリーペーパー「ALLDAY MAGAZINE Vol.3」に掲載されたものに加筆した文章です。