INTERVIEW DJ MIKO
INTERVIEW DJ MIKO
DATE : January 08, 2010
INTERVIEW DJ MIKO
-DJ MIKOの簡単なプロフィールを教えてよ。
MIKO:日本で、いや世界でもか?初めてであろうプロのコートサイドDJ。コートサイドDJっていうのも自分が勝手に作った言葉だけど。FAR EAST BALLERSとしてシーンの中心にいたから色んなイベントでプレイさせてもらってきた。その中でも一番長い期間やってて、最も愛着があるイベントがALLDAY。
-2005年8月にALLDAYが始まるって聞いたときの、率直な感想は?
MIKO:オシオシって感じ(笑)。その当時は美竹公園や代々木公園にコートが相次いで出来たり、LEGENDの話なんかも進んでた頃で、シーンが勢いづいてたときだったから、出来るべくして出来たイベントだった。そりゃあ嬉しかったよ、自分達で設営しなくてもいいんだって(笑)。
-今までのALLDAYで最も印象的だった瞬間・事件は?
MIKO:誰しもが言うけど、やっぱ第1回のセミファイナルFAR EAST BALLERS vs SUNDAY CREWのOKIDOKI(SUNDAY CREW)の逆転3P。あれで一度シーンの構図が歪んだ。あれがあったとないとじゃ今のシーンは全然違うものになってただろうね。まあ今のシーンの拡大っぷりをみると結果として良かったんだろうね。現在のシーンはOKIDOKIのおかげです(笑)。
-この3年間のALLDAYの中で印象に残っているチームまたはボーラーは?
MIKO:FAR EAST BALLERS。やっぱりFAR EAST BALLERSの初優勝のときかな。辛い低迷期を乗り越えての優勝だったし、いつも冷静に傍観する役目の自分としては、あんなに喜んでるメンバーを見てちょっと感情が表に出そうになった。「いかんいかん!」ってね(笑)。その後、車なのに打ち上げで飲んじゃって、代々木の駐車場で寝てて職務質問されたから(笑)。
やっぱりALLDAYってのは日本の、少なくとも関東圏のストリートボールシーンの流れを的確に表現するイベントだから、そのときの波に乗ってるチームやボーラーが優勝したりMVPをとるよね。LINDZ(FAR EAST BALLERS)やTAKU(Team-S)やMZ(Team-S)だったり。それはこのイベントが凄く健全でピュアなものだって証だし、ストリートに自然に存在できてるってこと。だからカタチは変わってもずっと続いていくんじゃないかな。みんなの良い一日としてね。
-DJ MIKOがALLDAYの中で一番楽しい時間帯っていつ?
MIKO:ゲーム間のアップのとき。FAR EAST BALLERSの出場してた頃は、やっぱりあそこでFAR EAST BALLERSの持つノリを表現出来てたし、ボーラーも自分も一番好き勝手やれる時間。今後はF'SQUADや新たなチームのノリを見るのが楽しみだね。あとは外国人チームのアップのとき、連中の好きなそうな曲をガシガシかけて、喜んでるのを見るのが密かな楽しみ(笑)。
-ALLDAY以外にもDJプレイをする機会の多いDJ MIKOだけど、そのやり方についてALLDAYと他と違いってある?
MIKO:DJはその環境に最適なパフォーマンスをしなくちゃいけないから、どこでプレイする場合でもやり方は変わってくるよ。ALLDAYは客層の広さが最も注視しないといけない点。ストリートボールをよく観る人たち、友達のチームを観に来ただけの人たち、たまたま通りかかった人たち、カワイイ犬を散歩中の人、色んな人種。様々な可能性のある会場だから、ゲームだけじゃなくて音楽も楽しんでもらうためには、選曲の幅は自然と広くなる。あと重要なのは5ON5ってこと。ゲームのリズムが3ON3とは全然違うし、アップの時間もタイムアウトもしっかりある。その辺も計算してDJしないと痛い目みるよ。
-ALLDAYにマッチングする曲を何曲か挙げてよ。
MIKO:①CASSIDY「ANTHEM」これはALLDAYのテーマソングに選んだ曲。これかかるとMAMUSHIも誰も彼もALLDAYやるぞーって思うでしょ?イベントのコンセプトや雰囲気にベストマッチな曲。
②T.I.「WHAT YOU KNOW」これはエンディングにかけてる曲。荘厳な曲調だし表彰式のBGMにはばっちりです。
③OUTKAST「B.O.B」これはALLDAYでしかかけないかな。最近は必ずファイナルの山場でかけてます。オールコート5ON5のスピーディーさ、代々木公園の開放的な環境ととても相性がいい。ファイナルの緊迫感とこの曲のポップさが融合して、ALLDAYでしか生まれない空間が創れます。
-現状のALLDAYに満足してる?
MIKO:回を重ねるごとにイベントのクオリティーは上がってるし、毎回フレッシュなTシャツが登場するし、素晴らしいでしょ!あとは前回優勝のPROLINEみたいに、今までの常勝チームを脅かす新鋭チームが毎回出てきて欲しいよ。Tシャツみたいに毎回フレッシュな連中が必要(笑)。
-現状のストリートボールはどう?満足してる?
MIKO:まだまだこれからだけど、これまでの活動の成果は確実に出てきてると思うよ。ここまで持ってくるのは本当に大変だったんだから。
ALLDAYの繁栄もそうだし、LEGEND、SOMECITY、HITHとどれも凄い勢いで発展してる。それぞれ連携をとっていって、どれも脱落することなく全部がこのまま順調に成長していけば、日本のストリートボールのプレイのレベルも同時に上がっていくだろうし、より多くの人がストリートボールで飯を食べれるようになるだろうね。俺とMAMUSHIの二人勝ちじゃなくなる(笑)。
-ALLDAYは今後どうなっていったらいいと思う?
MIKO:あくまで草の根のハングリーなボーラー達の噛み付き合いの場だと思ってるから、無理に巨大化させる必要はないんじゃないかとは思う。今まで通り細部のクオリティーを上げつつ、時々今回のALLDAY BLOCK PARTYみたいなイカした例外を起こしながら永続していってもらえれば嬉しいね。
いま一線でバリバリやってるボーラー達が、オヤジになってもプレイできる場としてずっと続いていて欲しい。DJは選手生命ないんでずっと自分がやるけど(笑)。
-DJ MIKOの考える「ストリート」ってなんだろう?
MIKO:いくつか捉え方はあるだろうけど、自分が好きな考え方は、「その手があったか!」と周りの仲間やライバルを驚かして優越感に浸る場所。DJのミックスやスクラッチはずっとそれで進化してきたし、MCは誰も言った事のないやばいフレーズを四六時中考えてるし、ボーラーの編み出すムーブもまさにそれでしょう。
ダンスだってライターだって、それこそなんにだって当てはまる。科学者が新しいテクノロジーを生むようなのとは違くて、体ひとつと昔からある道具を使って、誰もやったことないフレッシュなやつを周りの人間に見せつけて、日本語なら「マジかよ!」、英語なら「DAMN!」って言わせられれば勝ち。それが自分の好きなストリートの考え方。
-最後に。DJ MIKOにとってALLDAYとは?
MIKO:息抜き。日々シビアな環境で活動してるから、ALLDAYのどこにも一貫して感じる開放感はとてもホッとする。この雰囲気や感覚が好きだからやってきたんだよなって再確認するよ。
(取材/テキスト:MAMUSHI)